「ここに妊婦がいます!」口では言いづらいことをデジタルに託した取り組み
【INFORMATION】
クライアント:韓国政府
商材 :自治活動
実施時期 :2016/06-
実施国 :韓国
【BACK GROUND】
韓国は出生率が極めて低く、妊婦さんに対する意識も弱い。
(日本が1.41に対し、韓国は1.30)
そうした中で、電車内で席を譲ることも少ない状況であった。
【MISSION】
電車内において、妊婦さんに席を譲ることの意識を高めること。
【EXECUTION】
韓国では妊婦さんに席を譲る気遣いが欠如していた。
実に64%もの人が今まで席を譲ったことがない、という調査結果もあるほどだ。
マタニティマークをつけていても、どうやら効果はないようだ。
そうした彼女たちを手助けするために考えられた取り組みが・・・
PINK LIGHT
仕組みはこう。
妊婦さんに、ビーコンを搭載したキーホルダーを付けてもらう。
キーホルダーが優先席の半径2m以内に近づくと、
手すりに設置されたランプが点灯する。
座っている人に対して、妊婦さんが近くにいることをランプが伝えてくれる。
こうして席の譲り合いが生まれる、というものでした。
【RESULT】
実験段階中
【OPINION】
good point
口頭で「自分は妊婦だから席を譲ってほしい」と言いづらい心理を、
デジタルの力で解決しようとする点が魅力的。
bad point
改善点はまだまだありそうです。
・逆に苛立ちを喚起させそう。
(自転車でチャリンチャリン鳴らしてくるおばさんに似たものを感じた。近いんだから直接言えよと。)
・今まで譲り合いが起きなかったのは、妊婦の存在に気付かなかったからではなく、
気遣いの精神が足りていなかったため。本質的課題を捉えられていない。
・デジタルの発展によって、人間から会話が少なくなっていると思います。
(スマホでコミュニケーション、分からないことがあったら聞くのではなくググる)
そうした流れを促進させる取り組みとなってしまっていると感じます。
このライトを煩わしいものとして認識させ、
「優先席から遠ざける」という発想ならおもしろいかもしれません。