【ヤングカンヌ】2015 PR部門 ブロンズ(中国)
本日は「ヤングカンヌ2015 PR部門」のブロンズです!
【EXECUTION】
タイトル「豚を処刑する」
肉を食べるのは自由だ、と誰もが思うでしょう。
たとえ肉を作る工程が環境に害を与えていても、それは生産側の責任であって、
自分に責任はない、と思っても無理ありません。
目的:
モラルを押し付けることなく、肉の生産の悪い面を訴求する。
そのために「肉の摂取を減らすかどうかの判断」を本人たちに託す。
手法:
非難の対象を、あえて人間から外す。
そしてその対象を、食用肉の代表格である「豚」に移す。
フェーズ1:
YouTubeで公開裁判
食用肉の生産に際する諸問題の責任を、全て豚に押し付ける。
そして1ヶ月以内に、豚を処刑し始めることを宣言する。
しかし直後、意見をころっと変える。
「豚は無実。悪者は我々人間だ。」
フェーズ2:
共同声明キャンペーン
公開裁判を見て、「悪いのは人間の方だ」と感じた人の思いを、
具現化する仕組みを作り出す。
(通常より少ない量の豚肉パックについた?)QRコードを読みとり、
自分の名前を記録することにより、連帯キャンペーンの参加表明をする。
この取り組みがSNSで拡散されると、多くの賛同者を見込むことができる。
参加者が増えれば増えるほど、肉の摂取を控える人が世界中で拡がることになる。
【OPINION】
good point
一度、豚に全ての責任を押し付ける点がおもしろい!
またそこから真逆のメッセージを突きつける流れが気持ちいい。
bad point
人が肉の摂取を控えるきっかけが、
「ネットでの豚の公開裁判のみ」というのは無理があるのでは?
フェーズ2も賛同者が増えていく構造を想定しているが、
フェーズ1の「信憑性にかける豚の裁判」で、
果たしてどれだけの人が心を突き動かされるだろうか?
「自分だったら本当にやるのか」という視点が弱いと感じました。