新たなファッショントレンドが、女性ガン患者に髪を提供
病気と闘っている人に対して、
何か応援をしたいという気持ちは、多くの人にあるはずです。
しかし想いだけで、それはなかなか実現しない。
しかし今回ご紹介する事例では、
見事に「応援」を目に見える形にしました。
【INFORMATION】
クライアント:RENASTEREA
サービス :NPO法人
実施時期 :2016/06
実施国 :ルーマニア
【BACK GROUND】
ルーマニアでは女性の6人に1人がガンになっている一方、
ガン患者に必須の"ウィッグ"が大変高価である。
【MISSION】
多くの女性ガン患者がウィッグをつけられる仕組みを作り出すこと。
【EXECUTION】
女性にとって髪は命である。
そのため女性ガン患者にとっての"ウィッグ"という存在はとても大きい。
しかしルーマニアではウィッグが大変高価であった。
そこで考えられた施策が・・・
アシンメトリーの髪型を、「勇気ある髪型」と定義した。
女性はヘアサロンにて無料で髪を切ってもらい、
それを女性ガン患者に提供する。
アシンメトリーはトレンドと扱われるようになった。
同時にこの髪型の女性は「ガン患者のために勇気ある行動」を
とったことを象徴する。
またウィッグを手にした女性は、
髪と共に"勇気"を手にした。
【RESULT】
2400人の女性が髪の毛を提供し、651個のウィッグを作り出した。
【OPINION】
good point
「アシンメトリーは勇気ある行動」というコンセンサスを作り出すことにより、
健常者、女性患者の両者にとって、価値のある取り組みとなった点が素晴らしい!
(健常者:勇気ある女性、女性患者:髪を取り戻せる)
bad point
こうした「気持ちを形に表す施策」において最も怖いのは、
形骸化だと考えます。手段と目的の逆転とも言えます。
女性ガン患者に対する思い入れがないにも関わらず、
「なんとなく流行ってるから」という理由で行うと、
それはこれ以上ない侮辱にあたると思います。